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花神 [ドラマ]

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 いきなりたこ入道のような顔が出てきてびっくりされたかもしれませんが、中村梅之助村田蔵六ですよ☆ 詰め物までして広くしたというこのおでこ、脳みそが一杯詰まってそうでインパクトがありますね~!

 いや、本当お久しぶりです! 気が付くと4月以来ですから何と7ヶ月(!)、実に長い長~い間すっかりご無沙汰していましたm(_ _)m

 その長い間何をしていたか振り返ると・・・とにかく体調を崩したと思ったら長引き、やっと治ったと思ったら気候の厳しさにやられみたいなことをずっと繰り返していました。 絵はぽつぽつ描いていましたがまとまったものはほとんど描けず、デッサン教室も夏から先月末まで丸々休んで、やっと体調が上向いてきて再開できたのもつい最近でした。

 それでも長いブランクの後の教室は本当楽しくて、何ごとも一歩踏み出すことは大切だな~とつくづく思いました。 ようやく不調から脱することができて、このブログにも戻って来れて嬉しいです!

 さて例によってうっとおしい前置きで失礼しましたが、ついに『花神』です!

 実はこのドラマ、初見は38年前の総集編放映時、本編を見逃したことを大後悔するほど感動の嵐に見舞われました。 そして5年前『龍馬伝』の高杉に惚れ込み久しぶりに見返してまた感動☆ 以来感想を書きたいと切望していましたが、いろいろあって機会を逸していました。

 そこに、今年の大河です~松陰先生死後の惨い落ち込みがあり・・・(涙)そのモヤモヤした気持ちをどうしても吹き飛ばしたくて再びこのドラマを見たところ、38年前の大河とは思えない生き生きとした躍動感にあふれた幕末の人々の姿があり、またまた感動をあらたにしました! そこで、今度こそこの想いを形に残したいと決心し、ようやくイラストを少しずつ描き始めたというわけなんです。

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 『花神』と言えば、総集編冒頭の主人公村田蔵六のことを語ったナレーションからしてもう胸を熱くしてくれます!

 一人の男がいる。
 歴史が彼を必要とした時、忽然と現われ、
 その使命が終わると大急ぎで去った。
 もし維新というものが正義あるとすれば、
 彼の役目は津々浦々の枯れ木にその花を咲かせることであった。
 中国では花咲爺いの事を花神という。
 彼は花神の仕事を背負ったのかもしれない。
 村田蔵六、のちの大村益次郎である。

 これ、私には、村田蔵六のみならず、松陰先生、高杉等の幕末を生きた志士たち一人ひとりを語っている気がしてならないんです。 それだけこのドラマは、出番の少ない脇役も含めて登場人物全てが主人公と言っていいほど、皆抜群の存在感あふれる見事な群像劇なんですよね。

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 その筆頭は何と言っても篠田三郎松陰先生でしょう!
 
 短い生涯を燃えるような信念を貫いて生ききったさまは、いつ見ても心を鷲づかみにされます。

 そのどこまでも純粋な志と研ぎ澄まされた「狂」の精神は強烈な存在感で胸に迫り、白い着物を身にまとい刑場に挑んだ美しい姿と澄み切ったまっすぐなまなざしは、目に焼きついて一生忘れられません。 温厚で懐の深い橋之助松陰、鋭い眼光と学問に対するあくなき情熱で史実に肉迫した伊勢谷松陰、等々、今までさまざまな役者さんの素敵な松陰先生を目にしてきましたが、篠田松陰の神々しいまでの存在感はゆるぎなく、まさに松陰先生の原点、金字塔と言えましょう。
 
 またシリアス面だけでなく、身なりかまわず蓬髪で佐久間象山に弟子入りを願い出て駄目出しされたり、妹の寿ちゃんに着物が臭~いとからかわれたり、友人との談義で盛り上がるとすぐに泣いてしまう涙もろいところなど、キュートな面も満載! まさに花神一の萌えキャラと言えましょう☆

 何といっても篠田三郎と言えば、ウルトラマンタロウ☆ 爽やかヒーローのイケメン俳優が松陰って、本当何て心憎いキャスティングと思います。 
 
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 そしてお次は中村雅俊高杉☆ 伊勢谷高杉一押しの私としては決して理想の高杉というわけではありませんが、躍動感あふれるやんちゃぶりが爽快かつ愛嬌たっぷりでこれはこれでなかなか愛すべき高杉と思います。

 近年の高杉の役者さんたちがどちらかというと痩せ型で容姿に鋭さが見られますが、中村高杉はぽっちゃり系。 坊ちゃんぽいというか金太郎さんのようというか(笑)・・・そう、ガキ大将がそのまま大人になったようでどことなく可愛いんですよ。 言うならば、映画『幕末太陽伝』で石原裕次郎が演じた高杉の系統ですね。 

 そう言えば、中村雅俊は当時青春ドラマのスターでアイドルだったそうですね! 俳優であり歌手でもある彼が、おうのとの出会いの場面で三味線を爪弾き都々逸を唄うとところはなかなかの美声にうっとりと聞きほれてしまいました。

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 そんな高杉も、結核にかかった晩年は痛々しく・・・衰弱ぶり(中村雅俊の熱演!)には大いに泣かされました! 松陰先生の墓前で酒を飲みながら、「どんな短い生涯にも春夏秋冬がある」としみじみ語るところも、おうのを案じて優しく声をかけるところも、去り行く者のせつなさが胸にひしひしときて・・・また涙><

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 と言うわけで、高杉と言えば、やはりおうのについて書かないわけにはいきません☆ 

 『花神』には、大活躍する個性的な男たちに負けず生き生きと振舞う女たちが沢山登場しますが、なかでもおうのは一筋に高杉を想う様がいじらしく可愛くて、私的にはこのドラマ一の女性キャラです☆

 彼女、高杉も「おなごは呑気なのが一番じゃ」と可愛がっていましたが、ふわふわしていてちょっと頭が足りない無邪気な癒し系でいながら、意外にものごとの本質をずばっと見抜いたり、不思議な魅力と存在感がありました。 秋吉久美子特有のけだるげな雰囲気と独特の色気がまたおうのにぴったりだったと思います。

 ここで『花燃ゆ』を思い出してみると、あちらもおうのは一応登場していましたが、申し訳程度の顔出しのうえ一時的な浮気相手のようにごく軽く描かれていたのにはがっかりでした! 思わず、こんな中途半端な出し方ならいっそ出さないほうがよかったのにと思ってしまいました。

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 高杉ゆかりと言えば、双璧の片割れの久坂玄瑞も外せません。

 総集編では出番は少なめですが、禁門の変で無念の最期を迎えるくだりは、武者人形のような美しさと志垣太郎の悲壮感にあふれる熱演で魅せてくれました。 さすが、『新平家物語』の義経様!悲劇の武将役をやらせると様になりますね~☆

 正直、容姿という点において、今年の大河の久坂にくらべるとそれほど史実の面影はありませんが、容姿に華があり目力もそなわっていて英雄らしい力強さがあるという点では百倍久坂の魂が感じられました。 それにしても、今年の大河の久坂は情けなさ過ぎましたね~泣

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 一方、桂小五郎は、藩のブレーンとして軍事担当の蔵六をバックアップ。 また長州の志士たちの兄貴分として出番も多く、なかなかの存在感を発揮していました☆ これまた、米倉斉加年の知的な雰囲気と端正な顔立ちがぴったりでした。

 彼については、ドラマの終盤、松陰、久坂、高杉、蔵六、等の同士に次々と先立たれ、幾松姐さんに「皆死んでしまった!」と嘆き悲しむ姿があまりに切なく、このドラマの締め、クライマックスとして心に強く残っています。 彼の長州愛、ひしひしと感じられて、また視聴者の気持ちも代弁してくれたような気がして、思わずもらい泣きしてしまいました>< 

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 他藩の人々も、濃~く描かれているのが『花神』の特徴ですが、そのなかでも龍馬は、出番は少ないながら、薩長同盟、近江屋の暗殺はきっちり押さえられていて、その印象も臭ってきそうなほどワイルドで男っぽく土佐弁も様になっているし、ちょっと出でも印象は強烈でした☆

 どこかで見たと思ったら夏八木勲! まさか松平春嶽様(@『龍馬伝』)が若かりし頃龍馬を演じられていたなんて、本当びっくりぽん(『あさが来た』見ています~)です☆ 道理で春嶽様が龍馬に対して理解があり優しかったわけですね(笑) 

 薩長同盟のとき「地球を動かすのは、思想ではなく経済」と語りますが、商人であり合理主義者としての龍馬はとてもリアルで魅力的に見えました。 

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 つい後回しになってしまいましたが(笑) 最後はやはり主人公の村田蔵六こと大村益次郎について☆

 決してイケメンでもなく、学問をこつこつ修めその才能と実力を買われて長州の軍師となった全く地味~な人ですが、それで面白みがないかと言うと・・・いやいや結構これがユニークで!

 たとえば、宇和島藩に召し抱えられて突然何もない状態から軍艦を作れと命令されて、それでも地元の職人を巻き込んで何とか完成してしまうだけでもすごいと感心しますが、藩の役人が「動いた!」と驚くと「動いてもらわなければ困ります」とズバッと言い返す。 戊辰戦争のときも、上野の彰義隊に押されて戦況が不利になって動揺する味方の兵士に向かって、「必ず勝てます」と言い切って、実際その言葉通りに大勝利を収めたり・・・本当に根っからの学者だな~と思える面白いエピソードが満載でした。

 また、意外に女性関係でも高杉ばりに見どころがあって、ヒステリー症の奥さんに悩まされたり、シーボルトの娘お稲との不倫の恋愛に誠実に悩み苦しんだり、学問一筋というだけではなく人間的にもとても豊かで魅力的な面が多々描かれていました。 本当主人公として十分すぎるほど面白い人物だったと思います。

 気が付くと、ほとんどがキャラクターについてつらつら書いただけの感想になってしまいすみません!

 他にも、函館戦争で壮絶な最期をとげた長塚京三(百合之助お父様☆)の土方歳三や、長岡藩の家老としての苦悩する高橋英樹河井継之助、長州人ではコミカルでバイタリティあふれる伊藤俊輔井上聞多コンビ、それから臣下愛あふれたそうせい公等々、どの人物もキャラ立ちが半端じゃなくて、豪華キャストによる熱演は本当見ごたえたっぷりでした。 力不足のため絵にできなくて残念です!

 最後の最後に、この奇跡と言っていいほど豊かで魅力的なドラマのゆえんは何なんだろうかと考えると、やはり司馬遼太郎のとことん史料を読み込んで作り上げた生き生きとした歴史小説が大元にあるというところが一番なのではと思います。 もちろん、四つの小説を上手にひとつの物語として束ねた脚本家さんの実力も素晴らしいのは言うまでもありません☆

 実は、司馬さんの小説はしばらくご無沙汰していたのですが、久方ぶりにまた読んでみようかという気になりました(実はまだ『花神』を読んでいないんです~^^;)


 長々とした感想にお付き合いいただき、ありがとうございます!

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