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龍馬伝 第47話 [龍馬伝]

 さて、ついに最終回まであと一息! 

 今回もまた長々とした真面目一徹な感想になってしまいましたが、よろしければまたお付き合いください!

第47話「大政奉還」

 さて、いよいよ大政奉還が成立するか否かという運命の分かれ道。

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 でも、今回の龍馬は、ほとんど後ろに退いて結果を待つ役目で、前回ほど活躍はありませんでした。 もちろん、完全に手をこまねいていたわけではなく、幕府の重臣の永井尚志に進言するなど彼なりの努力はしていますが、それよりは、むしろ直接の関係者、慶喜や後藤など、他の人たちの必死な姿が強調されていたような気がします。

 まず慶喜公。 今までは悪役としての顔しか印象にありませんでしたが、今回の建白書を前にして悩み苦しむ姿には、この前の容堂のときと同様、初めて人間的な顔を見たような気がしました。 徳川幕府の最後の将軍として、自らの手で武士の社会を終わらせなければいけない、その苦悩の大きさが克明に描かれていたように思います。

 そして、今回の後藤の頑張りようもよかったです。 最後、慶喜が、二条城の大広間に集められた各藩の重臣たちを前にして、大政奉還について意見を求めたとき、 他藩が即答できないと逃げの姿勢をとるなかただ一人大政奉還を受けることを勧めた必死な姿は、前回以上にけなげに思えて、思わずよく頑張ったよくやったと褒めてあげたくなりました。

 さて、今回待つ人であった龍馬ですが、もし大政奉還が受け入れられなかった場合、慶喜公を斬るとまで宣言し(これには少し驚かされましたが)、結果を待ちわびる長い夜を過ごしながら、大願が成就した後の夢を思い描きます。

 星の出る夜空を見上げながら、六分儀を使って藤吉に北斗七星を見せる龍馬の姿はどこかなつかしく、純朴な藤吉は以蔵を思い出させ、彼に優しくする龍馬を見ているととてもせつない気持ちになりました。

 そして「早く船出したいのう」と言い、家族や仲間を連れて船に乗り世界を巡る夢を語ります。

 「どんな風景が広がっちゅうか、まっこと楽しみぜよ」

 天窓から嬉しそうに顔を覗かせて星を眺めたり、懐かしいガラクタのような黒船の模型や昔描いたヘタクソな絵まで出してきて楽しげに見つめたり・・・その少年に戻ったかのような無邪気で幸せそうな満面の笑みを見ていると、かつて屋根裏部屋できらきらした目をして夢を語っていた高杉の姿を思い出してしまい、二人の夢の儚さを思うとまた涙がこぼれてしまいました。 

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 その夜龍馬の見た夢も印象的でした。 いつのまにかが土佐に帰って海を見つめている、まるで魂が彼の体から抜け出して土佐に帰っているような、そんな神秘的ともいえる光景に胸が締め付けられる想いがしました。


 長い夜の明けた後、龍馬に、懐かしい人、勝先生の訪れがありましたね! 先生、相変わらず暖かくて、また顔を見ることが出来て嬉しかったです。

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 そして、ついに大政奉還が受託されたという知らせが舞い込み、龍馬が仲間たちと手を取り合って喜んだシーンは、やはりこの回一番と言っていいでしょう。

 勝先生の「なんて野郎だよ。たった一人でこれほどの大仕事をやってのけた」と言うのに対して、「一人じゃないがです。わしら皆で・・・皆でやったがです」と龍馬が答えたのがよかったです。

 皆と言うのは、今いる海援隊の仲間たちだけではなく、もうこの世にいない武市先生や以蔵、亀弥太、長次郎、それに高杉も、彼らが龍馬の力になって支えてくれたからこそ、龍馬は信じられないような力を発揮して大政奉還という途方もない大きな仕事を成し遂げられたんだと思えたから。 このセリフを聞いたとき、本当に胸がいっぱいになり目頭が熱くなりました。

 でもその後、喜びの余り外に出たとき、龍馬は再び自分の成し遂げたことの重大さをあらためて実感することになります。

 いきなり襲ってきた新撰組を止めてくれた勝先生、ホント江戸っ子って感じでカッコよかったですvv  でも、退いた近藤さんたちの顔や様子を見ていると、その後の彼らの悲劇的な行く末を知っているだけに、なんだかとてもせつなくなってしまって・・・彼らは滅びゆく旧い時代の武士の代表ですから。

 龍馬も近藤さんの顔を見て深く感じ入っていました。 それは、彼の複雑な途方にくれたような表情を見ても、その後つぶやくよう勝に向かって言った「確かに大政奉還は成功しました。 でも、それだけで人の暮らしは変わらん。 すべてはこれからじゃ」 という言葉からも感じ取られました。

 そして、龍馬は京にとどまり、新しい世を作るためにさらに奔走することになります。

 でも、気が付くと、彼の周りは敵だらけでした。 新撰組はもちろん、薩摩や長州、そして慶喜公までも・・・。 とくに以前仲がよかった木戸さんまであんなに冷たい表情で龍馬の名前をつぶやいたときには、本当に悲しくなりました。  まあそれでも、中岡だけが龍馬の味方っぽいのは救いですが、それで彼が結局巻き添えを食うのかと思うと、やりきれない気持ちになったり・・・

 そんな危険がうずまくなか「早く京を出ましょう」と言う陸奥の言葉を頑として聞き入れず、新しい書き物に熱中する龍馬の姿を見ていると、 自分のことなど二の次、自分の夢をあきらめて、皆の幸せのために命を掛けて死んでいった高杉の姿とダブってしまい、ここでさっさと京から離れていれば死ぬことはなかったのにと思うと、また涙が出てきて止まりませんでした。

 次回はいよいよ龍馬が殺される回。 つらいですけどしっかり彼の最期について書こうと思います。
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さにー

勝先生が出てきて、楽しかったです。「刺客だ。」で一目散に龍馬をおいて逃げ出したり、生き残る人は違う、先生を見習えと龍馬に言いたくなりました。龍馬の危機管理のなさは、陸奥じゃなくても嘆きたいです。慶喜を斬ってでも、大政奉還という人と、藤吉と星空を見て嬉々としている人が同じという矛盾もあるから仕方ないけど。龍馬の夢が成し遂げられたのに、日本の夜明けより、龍馬の最期が迫ってるのが感じられて、龍馬と一緒に喜べなかった回でした。最終回の感想がんばってください。
by さにー (2010-12-09 00:42) 

tatchan

*さにーさん*
ご訪問、そしてコメントもありがとうございます!

読ませていただいて、さにーさんの龍馬への愛の深さを
あらためて思い知りました。
確かに勝先生は幕末生き残り組でしっかりしていますよね。
それに比べると龍馬はやっぱりどこか抜けているというか
困った子だったと思います(笑)
そう、薩長同盟のときとかも、私もそんな風に感じましたもの。

龍馬が慶喜を斬るつもりだったと言うのは書状が残っているのか
史実だと言うのをどこかで読みました。
そんなものすごい覚悟があるのに
一方ではそんなことなど忘れたかのように自分の夢を語る
ホント確かに矛盾しているように見えますよね。
でも、その矛盾がなぜだかとても龍馬らしいと思えました。

なんででしょう、彼がどこまでも夢や志を真っ直ぐにみつめる視線をもっているから
そのため自分の命を超越してしまうことがある
とでも言うべきか・・・
う~ん、うまく何だか上手く表現できないですね~ごめんなさい。

たぶん、余り違和感なく今回の龍馬が受け入れられたのは
昔何年か前龍馬を知るきっかけになった「そのとき歴史は動いた」で
彼が危険な状態の中護衛もつけずに
京の町を堂々と歩いていたというくだりで
妙に惹き付けられたというのが
自分の初の龍馬体験だったからなのかもしれません。

最終回、いろいろあったのですが、ようやく先週末に見ました。
感想は多分今週中になるかと思いますが
また見ていただけると嬉しいですvv

*sanaさん、トトマスさん*
ご訪問、そしてナイスもありがとうございました!
by tatchan (2010-12-13 10:27) 

ゆゆ

コメントは後日w
by ゆゆ (2010-12-13 22:40) 

さにー

 実はこちらの最終回の感想が、まだだ。とほっとしている自分がいます。キリストの受難劇のようなドラマの展開に最終回には、クリスチャンの自分は、罪人の立場で臨みました。最終回の最初の海のシーンがとても、見る人の心を救ってくれたと、今は思います。あれが龍馬の夢の先だと信じたいです。では、感想を楽しみにしています。高杉さんの特集も。
by さにー (2010-12-16 21:15) 

tatchan

*ゆゆさん*
ご訪問、 そしてナイスもありがとうございます!
コメントはお待ちしていますので、いつでもどうぞ(笑)

*さにーさん*
再びご訪問、そしてまたコメントもありがとうございます!

最終回の感想が遅れに遅れているのにそう言っていただけて
私自身ホッとしています(笑)
クリスチャンでいらっしゃったのですね。
受難劇ですか・・・本当そのようにも思えますよね。
思い出すと、龍馬や他の死んでいった人たちも皆
「犠牲」と言う言葉を連想させます。

実を言いますと、感想が遅れに遅れている理由は
私自身が最終回を見て余りに満足してしまったので
なんだか自己完結してしまったというのがあるかなと思います。
いえ、もちろん龍馬が殺されたところでは目一杯泣いてしまったのですけど・・・。
後、さにーさんと同じで龍馬伝が終わったいう事実から目をそらしたいという
いわば現実逃避ですね(笑)

でも、気づくと今年も終わろうとしていて
遅れていた高杉の追悼もなんとか無事終えましたので
そろそろ観念して(笑)取り掛かろうかと思っています。

そんなわけで、近日中にアップするつもりでおりますので
またお付き合いいただけると嬉しいですvv
by tatchan (2010-12-22 11:05) 

ゆゆ

コメントはあとで、と言いながら年を越してしまいましたー(爆
すみません!
日常生活でいろいろとありまして気力が失せていました。
その日常から逃避できる「龍馬伝」が終わってしまい虚無感さえ覚える今日この頃です・・・。
龍馬にわんさか敵ができてしまったことについては本当に残念です。そうと知っていてもまだ日本国の将来について考え続けていた龍馬は本当にすごいと思います。
しかし伊勢谷高杉は本当に素晴らしかったですね!
総集編での出番が少なすぎてイラっとしてしまいましたよ。
あの総集編の作り方も納得いかないんですけれど。
やっぱりこれは新たに伊勢谷高杉のドラマを作るべきです!!
しかし、伊勢谷さん、なんでまた「あしたのジョー」に出ちゃうんだろう・・・(涙)
by ゆゆ (2011-01-08 12:35) 

tatchan

*ゆゆさん*
再度ご訪問、そしてコメントもありがとうございますvv

こちらこそ、レスが遅くなりましてすみません。
そちらのブログを拝見して、お怪我をなさったりとか
本当に大変でいらしたんだと思いました。
どうかくれぐれもご自愛ください!

龍馬伝が終わってしまったのはホント私も残念でたまりません。
龍馬、本当大変な状況なのに、よく頑張りましたよね。
そして、ここもゆゆさんと同じで(笑)伊勢谷高杉は本当に素敵でしたよねvv
総集編の作り方についても同感です!
総集編でもやっぱり高杉の出番は足りないと思いました。
船に乗っている龍馬を出すくらいなら
高杉の戦闘シーンをもっとじっくり見せてくれ~!ですよね(笑)
霧島の登山シーンはあんなに長くなくていいから
せめて高杉の拳銃進呈シーンは入れてほしかったですよね(笑)
新たな高杉ドラマは是非是非と思います☆
もちろん配役は高杉=伊勢谷さんで!!

え、あしたのジョー、ゆゆさんは興味がないですか?
私は実は来月公開を楽しみにしているんですよ(笑)
絶対見に行きますよ~♪
好きな女(洋子)よりライバルのジョーの存在がその頭の大部分を占めている
伊勢谷力石はやっぱりストイックで萌えてしまいますvv
・・・とうか、過激な減量で死にそうでフラフラしている伊勢谷力石って・・・
想像すると伊勢谷高杉と重なってやっぱり萌え萌えですよ~(笑)
by tatchan (2011-01-15 00:11) 

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