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描きそびれていました [近況]

 大震災からすでに5日目となりますが、 目を覆うような甚大な被害に加えてさらに未曾有の原発事故と、未だ覚めることのない悪夢のような現実が続いています。

 被害の少なかった自分の住む神奈川県でも、輪番停電の実施によって、水、パンなどの食料品の一部、乾電池などが手にほとんど手に入らなくなりました。

 おそらく、震災の不安のあおりを受けて、人々が一時的にパニック状態になっているのでしょう。 朝はパンの代わりにパンケーキを焼いて代用していますが、 米、乾麺、小麦粉などの備蓄の食糧も限りがあるので、この状態がいつまで続くのか、やはり不安です。

 健康状態もあまりよくありません。 震災以前から花粉症で状態が悪かった目がさらに悪化して、目薬をさしても、余り効かず、心の不安と体の不快感に余り眠れず疲労がたまっています。

 それでも、直接甚大な被害を受けられた東北の被災地の方々に比べたら、こんなことは苦労のうちにも入りません。 おにぎり一個で寒さに震えながら避難所で生活を続けていらっしゃる方々が、どんな思いで日々を過ごされているのか・・・本当に想像を絶する大変さだと思います。

 自分に出来ることは、と考えて、献血は自分は体重が50kgに達していないので無理だったのですが、自分のできる範囲で募金をしました。 それ以外には、身近な方たちの心配や足手まといにならないように、とにかく体の健康を出来るだけ保って精一杯生きていく、本当に情けないことですがそれだけです。

 そんな落ち込みの激しい毎日ですが、ようやく少しだけ絵を描こうという気になってきました。

 一時期は、もうこんな気持ちでは二度と絵に戻れないと思っていたのですが、いろいろな方の励ましのおかげで、やっと少しだけ、です。 しおれかけていた花が僅かな陽の光を感じてそちらに向かうような、 正直、まだほんのリハビリ段階ですが、「生きる」ためにも、描ける状況にあるときは、少しずつでも描いていこうと思います。

 ということで、やはり『龍馬伝』、そして高杉です。

 震災前、Blu-rayでを見返していた時に、あ、この顔、このショット、描きそびれていたと思うものが結構あって、いくつか画像を保存していたものうち一枚を描いてみました。

takasugi_worried_E2.jpg

 武器調達に失敗して長州に帰還した高杉。

 絶体絶命の危機的状況にもめげず、誇り高く「長州は負けはせんよ」と皆の士気を高めた後、戦いの準備を整える兵士たちを見守りながら、自ら戦いの決意を固める-その悲壮な表情が心に残ります。

 予想以上に暗い絵になってしまいすみません。 もっと生命力が出る絵が描ければと思うのですが・・・とにかく祈るような気持ちで描きました。 長州のため日本のため精一杯命を使いきった高杉に、自分なりに気持ちを沿わせてみました。

 とにかく、一人でも多くの人が無事救助されますように、そして、被災された方々が一日でも早く元通りの平和な日常生活を送られますように、強く祈りながら、日々精一杯生きていきたいと思います。
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コメント 7

sana

高杉の思い詰めた目…
真剣な佇まいが素敵ですが。
やっぱり暗い気持ちに共鳴してしまうのでしょうね。

私も気を張っていましたが、一昨日からちょっと体調崩しまして、何も出来ない情けなさを感じています。
被災したわけでもないのに、これほどの事が起きるとやはり衝撃が心身に出ますね。
ぼちぼち立ち直ると思います~。

物流の滞りや停電もまだあるでしょう。
買い占めに走ってしまうのはちょっとどうかなと思いますが。
日本の人の忍耐強い対応に世界は感嘆しているそうです。
皆が心配し合う暖かさに感謝です。
by sana (2011-03-16 12:52) 

ゆゆ

私も直接被災したわけではありませんが、
ガソリンが手に入らなかったり、食品が手に入りにくくなったり自分の中では通常には戻れません。
子供がいるので学校があるのですがお弁当です。
自分一人が平常心を保つのがやっとの状態で
子供たちの事まで・・などと言っていてはいけないのですが
本当に心折れた状態です。
周りの方たちが元気に過ごしてくれるのが元気の源になります。テレビもいつも通りのくだらない番組がたくさんあっても
その『日常』に早く戻りたいです。

by ゆゆ (2011-03-16 15:44) 

まき

泣いても身元の分からないままの知人を救えないと悟りました
江戸開場の日 諭吉先生は慶応義塾を開いていたと言います
少年たちは戦の役に立たない
むしろ将来のために学んでいろと

今までしてきたこと 今できること 
絵を描ける人は描いて欲しい 子育ての人は子どものそばにいるだけですばらしいことだし
ドールの服を縫える人は縫って欲しい
そんな日常の続きをこの状態でできる人間になりたいと
とても難しいけど思ってます
Tatchanが絵を描いたことはすごい力だと思う
ありがとう 

1000年に一度の災害の中にいて
幕末志士の気概をぐっと感じてます
by まき (2011-03-16 19:53) 

さにー

高杉さん、素敵。静岡で大きな地震があったり、福島の原発も次々問題があったり、でも冷静になりましょう。計画停電もたかだか2時間か3時間。さっきまで、2時間停電してましたが、なんとかやりすごしました。流しに食器が洗えずにいっぱいになっていても、我が家は停電だと水も出ないので、そのままに。事前に水はいろいろ鍋などに汲んだのですが、真っ暗ななか懐中電灯で皿洗いする気にはなれず、家事は他の事もストップしました。電気も水も復活すると本当にありがたいです。どこの家も協力してると思います。ただ赤ちゃんや病気の方がいるところだと、2時間でも大変だと思います。今日、花を買いました。こちらでもコンビニとかで、買いだめとかあるのですが、今日買い物した所はいつもどおりでしたので、花を買いました。普通の生活を心がけるようにすれば、買いだめとかも次第におさまってくるのじゃないかと希望をもっています。そうじゃないと被災者の方達に物資が届けられません。冷静になりましょう。でも苦しい時は自分を労りましょう。不安で泣きたい時は、泣こう。そして、前を向いてできる事をしながら、助けあってがんばりましょう。今日は長州を危機から守った高杉さんに会えて、とってもうれしいです。停電後、電灯がついてほっとしました。あかりの温もりを再確認できました。幸せってこんな事でも感じられんですね。
by さにー (2011-03-16 22:59) 

さにー

訂正します。幸せってこんな事でも感じられるとかくつもりが、間違えちゃいました。眼が痒くて涙がでてもおさまらない、目薬もきかないって不快だし本当にうんざりしますよね。私は今年は眼はそこまでじゃないのですが、お辛いことと思います。花粉症だと不快感で眠れません。眼はまばたきしてうるうるさせてかゆみをやりすごし、鼻はむずむずで、くしゃみや咳をしながら、おさまった時にティシュの箱を放して疲れて寝ます。地震も大変だけど、健康も大事です。ご自愛ください。
by さにー (2011-03-17 01:17) 

tatchan

*sanaさん*
大変なときにナイス、そしてコメントまでありがとうございますm(_ _)m
特に絵の感想につきましては
温かいお言葉、嬉しくて涙が出るほどです。
本当に心から感謝申し上げます。

お体大丈夫でしょうか?
大変なときと思いますが、どうか無理はなさらず
少しでも休めるときには休んでください。
一刻でも早く回復なさいますように
心からお祈り申し上げます。

危機的状況でもお互い思い合い助け合う気持ちが見られるのは
本当に唯一の希望であり救いですよね。
日本、そして人間の底力を信じていたいです。

*ゆゆさん*
この大変なときに、ご訪問、そしてナイスとコメントもありがとうございますm(_ _)m

「日常」を根底から揺るがす恐ろしい揺れ・・・
本当に「日常」が消えて戻ってこない毎日ですよね。

そして、うちのような子供のいない夫婦だけの家族に比べたら
お子さんのいらっしゃるお宅は本当に大変なこととお察し申し上げます。
くれぐれもお体には気をつけて
少しでも休めるときには休まれますように
そして、一日でも早くお元気になられますように
心からお祈り申し上げます。

*マキさん*
大変なときにわざわざご訪問、そしてコメントまでありがとうございますm(_ _)m

温かい、そして力強いお言葉ありがとうございます><
福沢諭吉先生の名言心にしみます。
こんなときに「絵を描く」なんて不謹慎かと思ったのですが
それでも、この恐怖と無力感から這い上がるためには
これしかないと思って描きました。

マキさんの文章の力こそすごい!と思います。
こうしてコメントを入れてくださっているだけでも
それにどれだけ励まされたか・・・
本当読んでいて涙が出てきます。

楽しい文章で心を明るくしてくれていたあるブロガーさんが
今は以前のような文章は書けないけど
きっとまたもう一度書ける日が来ると信じている
というような記事を書かれていました。

私も、以前のように思う存分楽しい創作に励める日が戻ってくることを
強く信じていたいです。
つらいですけど、また以前のように笑い合える日が来ることを信じて
頑張って生きていきましょう。
by tatchan (2011-03-17 11:02) 

tatchan

*さにーさん*
大変なときにわざわざご訪問、そしてコメントまで本当にありがとうございますm(_ _)m

停電、大変でいらっしゃったんですね。
こちらでは、準備は整えてはいるのですが
実際にはまだ実施されていないので
実際体験なさった方のお話を聞くと
ご苦労が身にしみました。
自分のところは最初に揺れがあった日にガスが止まったのですが
それだけでも普段の何気ない生活がいかに貴重であったのか
思い知りました。
こうした目にあうと、本当、何不自由ない日常って
なんてありがたいんだ!と思いますよね。

花を買われたんですね。
本当そんなささやかな行為が生む喜び・・・
大切にしていきたいですよね。

絵も見ていただいて本当にありがとうございます!
高杉を描いていて、私も励まされました。
聞くところによると、中身の方=伊勢谷さんも
今救援に頑張っていらっしゃるとのこと
その何分の1でも自分のできることを精一杯やって
一日でも早く皆が笑って暮らせる日を取り戻すために
努力していきたいと思います。

わざわざ追記で花粉症のご心配まですみません。
幸いお医者さんにもう一度いくことが出来て
新しい目薬は以前のものより効きがよいので
もう大丈夫です☆
あと、最近発見したのですが
家の中でもマスクをするととても楽です。
口から出る蒸気が鼻や目にも回る感じでしょうか?
さにーさんもよかったらやってみてください。

本当、お互いつらい状況ですが
何とか乗り切っていきたいですよね。
さにーさんもくれぐれもご無理はなさらないように。
by tatchan (2011-03-17 11:32) 

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