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ブロンテ姉妹 [映画]

 今年は花粉の量が特別多いからか、それとも歳のせいなんでしょうかね~例年と同じ薬を飲んでいてもだるかったり眠かったりが何時も以上に酷くて・・・(涙) その上、PCの具合までおかしくなって、気がつくと随分ご無沙汰していました。

 おかげさまで、最近薬を就寝前1錠に減らすなど工夫して、ようやく症状がマシになってきました。 これからはもう、昼過ぎにドラマの録画や映画を見ても途中でグーグー寝てしまうことはないでしょう(笑) PCのほうも、とにかくメカに弱いので相方に頼って、先週末正常な状態に戻りホッと一息ついたところです。

 さて前置きはこれくらいにして、少し前の話になりますが、『王妃マルゴ』以来アジャーニ熱が高まって『アデルの恋の物語』を始めとしていくつか映画を見ていました。 この『ブロンテ姉妹』も、去年偶然イマジカで放映した映画を録りためていたをこの機会にと見てみました。

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 『ブロンテ姉妹』と言いながら、フランス映画なんですよね~この映画。

 登場人物たちが皆フランス語を話すというところは少し違和感でしたが、姉妹の故郷、イングランド北部ハワースの荒涼とした風景を背景として、彼女らの生涯と日常を淡々と描いているところは雰囲気がよく出ていてなかなか味わい深い映画でした。 そう、淡々として静かな展開なだけにかえって彼女らの創作の源である情念のようなものがじわじわ感じられたんです。 

 お目当てのアジャーニエミリー役でした。 病弱で他の姉妹以上に田舎の家に閉じこもりがちで、でも、内に激しい情熱を秘めていて、男装して荒野を歩き回る姿は、まさに『嵐が丘』のヒースクリフかキャサリンかと言う感じ。 アジャーニは『アデルの恋の物語』のときも男装シーンがありましたからね。 強い目線など本来中性的な特徴をもっているので本当適役と思いました。

 花を摘むエミリーに「花は嫌い。すぐに枯れるから」「でもヒイラギは好き。永遠の友情の証よ」と妹の髪にヒイラギの葉を飾るところが印象に残っています。 それから、父パトリックに銃の手ほどきをされるところも一瞬ですが、強く心に残りました。

 
Sharlotte.jpg

 長女のシャーロットマリー・フランス・ピジェ。 古典的な雰囲気のフランス美人と思ったら、経歴を調べてみて『ココ・シャネル』の女優さんとわかり懐かしさに浸りました。 実はこの映画、シャネルの恋人役のルトガー・ハウアー目当てで昔映画館まで見に行ったんですよ。 話の筋はすっかり忘れましたが、ルトさんのお茶目さとシャネルの美しさは記憶に残っていました。

 シャーロットは、留学したベルギーの学校の教授に報われない片想いをして胸を焦がすシーンがあって、なるほどこの体験が『ジェーンエア』に生かされたんだな~と思ったりしました。 シャーロットは、次々と病死していった兄弟の中では、一番長く生きていたので(と言っても彼女も最初の妊娠時に産褥熱で若死にしていますが)、物語全体はほとんど彼女の視点で描かれていました。 しっとり落ち着いた大人の雰囲気の彼女がベースというところもまたよかったと思います。

 
Anne.jpg

 そして末っ子のアンイザベル・ユペール。 『ボヴァリー夫人』『8人の女たち』の彼女もこの映画公開の頃は若かったんですね~ 彼女もラファエロ前派の絵に出てきそうな雰囲気がある顔立ちで素敵でした。


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Branwell&MrsRobinson.jpg

 ブロンテ家のただひとりの男子だったブランウェルは『王妃マルゴ』でマルゴの下の兄のアンリ役だったパルカル・グレゴリーが演じていて、『マルゴ』では鼻持ちならない傲慢な貴公子だったのがひ弱な文学青年にガラッとイメチェンしていたのには驚きました。 

 このブランウェルと年上のロビンソン夫人との身分違いの恋愛は、静かで余り起伏のない物語のなかで一番ドラマチックな出来事でした。

 彼は、夫人との恋に破れたショックから、酒とアヘンに溺れる自堕落な日々をおくるようになり、芸術家としての才能を枯らしてついには死に至ります。 その悲劇は、ブランウェル作の有名な三姉妹の肖像画によくあらわれていて、映画の冒頭、晴れ晴れしく披露された四人兄弟の絵姿が、後半に、ブランウェルの部分だけ彼自身の手で消されてしまいました。 才能あふれる姉妹たちの間でただひとり芸術家として実りがなかったブランウェル・・・その悲劇的存在が姉妹たちにあたえた精神的影響はさぞ大きかったことだろうと感じさせました。

 この映画を見てから、ブロンテ姉妹の作品が無性に読みたくなって、まずは『ジェーン・エア』から読み始めて、今は『嵐が丘』の後半に入ったところです。 いや、実を言うと恥ずかしながら、これらの名作は断片的に知っているだけで、きちんと読むのはほとんど初めてなんですよ~^^; おい、ホントに英文科出身?と思いますが、それだけに、余計に素晴らしい~と浸りきっています。

 それから、去年公開された映画の『ジェーン・エア』も見ました。 こちらはマイケル・ファスペンダーミア・ワシコウスカという最近大好きな俳優さんが出演していたからと言うのもありますが、とても素敵な映画だったので、近々感想を是非描きたいと思っています。 何だか遅れてきた文学少女~と言う感じですが(笑)、よろしかったら、またお付き合いください^^


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sana

PCの具合が良くなってよかったですねー!
あれはホントに困ります。
花粉症も~今年は花粉が多いせいなのか、他のものも飛んでいるせいなのか?寒暖の変化がはげしいせいなのか?私も調子よくないですわ~。
お大事にね。

エミリー役のアジャーニ!
感じ出てますねえ~。
命の炎が宿っているような目で、荒野の風に吹かれて。
治療しないまま、なくなるのもわかるような個性的な人でした。

昔、映画館で見ました。
しかし、アジャーニ以外、ほとんど覚えていないような気が‥(汗)
ロビンソン夫人との恋愛ってぜんぜん覚えていません。
作品を残せなかったブランンェルですが、一緒に育ったので姉妹と影響を与え合っていたのでしょうね。
他の世界をほとんど知らなかった姉妹だし‥
シャーロット役はこの人だったんだー。イラストがきれいで、長女らしいですね。
雰囲気は出ていた印象があります。「ココ・シャネル」はハウアー本の紹介で知ってますが、それだけ^^;
ユペールは若かったですね! 肖像に似ているような気がしてました。これが最初に見た作品だったかも。

「ジェーン・エア」「嵐が丘」は何年かおきに読んでいました。
新しい映画は見ていませんけど。
だいぶ見たいのに見ていないのが溜まってしまったわ~そのうち、レンタルするかも。
アカデミー賞の総集編をちょっと見たんですけど、最近の映画は知らないのですよ~。
by sana (2013-03-27 15:55) 

tatchan

*sanaさん*
こんにちは♪
コメントありがとうございます^^
急に習い事を始めたり他にもいろいろあって
落ち着かなくてレスが遅れてすみませんm(_ _)m

この映画見ていらしたんですね!
しかも映画館で☆ いや~大画面で見られたと言うのが
とてもうらやましいです。
アジャーニのエミリーはホントハマり役でしたよね☆
結核だったのを治療を拒否するところ確かに彼女らしいというか
内に秘めた激しさというのが本当によく出ていました。

ブランウェルは3姉妹にとって唯一の同世代の異性だったので
影響は大きかったと思いますよ。
シャーロットはベルギー留学のとき教授相手に恋を経験していますが
エミリーやアンについては恋愛経験の描写は全くなくて
だから、このたった一人の男のブランウェルの恋や挫折が
彼女らの作品に深く関わっていたように思います。
そう、それから彼はエミリーとは一緒に『アングリア物語』を合作していますよね。

『ココ・シャネル』をご存知って
もしかしてルトさんのシネアルバムでですか?
当時かなり熱烈なルトガー・ハウアーのファンだったので
この映画はとりあえず見ていたんですよ。
私も内容はさっぱり覚えていないんですけど
本当懐かしいですよね~笑

原作はようやく『嵐が丘』を読み終えたところです。
ヒースクリフの最期が強烈で・・・何か一言では言えない
凄まじい情念の世界を垣間見たような気がしました。
エミリーはこれ一作なんてホントもったいない!
もしもっと生きていたらどんな傑作を書いていたかと思うと
若死にが悔やまれます。

映画も色々見ていらっしゃるのでしょうね。
私はオーソンウェルズの『ジェイン・エア』もオリビエの『嵐が丘』も見ていなくて・・・
とりあえず新しいものからいくつか見てみました。
おととし作られた最新版の『ジェーン・エア』は
静かで地味ですが原作のよさを伝えていたと思います。
それから、ジュリエット・ビノシュとレイフ・ファインズの『嵐が丘』も
見ましたが、こちらのほうは役者は熱演でよかったと思うけれど
コンパクトすぎてちょっともったいない気がしました。
坂本龍一の曲はちょっとケルト調という気がしてよかったですけど。

本当私は古いところの映画を全く知らないので
またよろしければ、どの『ジェーン・エア』や『嵐が丘』がお勧めか
教えてくださいね^^
by tatchan (2013-04-03 17:34) 

tatchan

*ぼんぼちぼちぼちさん、(。・_・。)2kさん、yamさん*
こんにちは♪
ご訪問、そしてナイスもありがとうございます^^
by tatchan (2013-04-03 17:37) 

aya_rui

花粉症って耐性が出来ちゃうものなんでしょうか?
毎年のことだと薬の効きとかも弱くなってしまうんでしょうかね
それとも花粉の方が強くなってる!?
花粉以外のものも舞っていますからね、いろんな影響がおありかもしれませんね。
それと春は陽気が嬉しいですが、春眠暁を覚えず…なんだか寝ても寝ても眠いとか
陽が長くなって、寝ている場合ではないのに、シャキっとしません(^w^)ヾ
ぽかぽか気分が、むしろ日向ぼっこ気分になってしまうのかも?ですけどね。

きっとPCもやる気がうせちゃったのかも?なんて
四月は始まりの月でもあるのに、逆にはじめる気力が起きません(爆)

文学少女さん素敵です~tatchanさんは英文科出身なんですか~すごいッ!!
私なんて全然日本人で(^w^)英文と聞いただけで??が飛びまくっちゃいますが
原作本?も読めたりしたら、翻訳とか違って楽しみ方も広がりそうですね♪

お時間が許せば、またどんどんと名作に目を通していってほしいですね☆
by aya_rui (2013-04-05 20:09) 

tatchan

*aya_ruiさん*
こんにちは♪
ナイスとコメントもありがとうございます^^

週一の習い事を始めたらこれが結構体力を使って・・・
また疲れがたまってしまってレスが遅れてすみませんm(_ _)m

いや~薬が効かなくなってというのは、耐性というより
やっぱり歳のせいと思います~笑
ここ数年で体の代謝が格段に悪くなりましたから^^;
疲れがなかなか取れないのもこのせいかと(笑)
あ、でも春眠暁をおぼえずというのはあると思います。
外で見かける猫たちも皆うつらうつらと眠そうです(笑)
最近は、強いミント系のガムをかんでいます。
そうすれば無理にでも目がパッチリとさえてきますから。

そう、英文科出身なのですが、でも全然英語は駄目で
さらにブランクがあるので全く忘れています(笑)

>原作本?も読めたりしたら、翻訳とか違って楽しみ方も広がりそうですね♪

ホント翻訳ばかりに頼っていないで
そのうち原文にも挑戦してみたいです。
学生時代は辞書引き引き長い時間をかけてノロノロ読んでいましたが
またそういうこともやってみようかなと
・・・と、色々夢はあるのですが時間がなかなか捻出できないのは
悩みですけどね^^;

小説もですが文芸系の映画もまた見たいと思っています。
ブロンテ姉妹だけでなく、ヘンリー・ジェイムズとかフォスターとか
あともちろんシェイクスピアも☆
また感想を書いた折など見ていただけると幸いです♪
by tatchan (2013-04-10 11:01) 

tatchan

*nyonyoさん*
こんにちは♪
ご訪問、そしてナイスもありがとうございます^^
by tatchan (2013-04-10 11:02) 

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